DIABLO日記(DEATH編)

〜いかにして死ぬか、俺はこうして死んだ〜

DIABLO・・・それは97年爆発的に流行したネットゲーム。
インターネットを通じ、最大4人同時マルチプレーが楽しめる、当時にしては画期的ゲームであった。
その流行に遅れること1年、今、新たな門を叩く若者がまた1人・・・

Quest0.Install

ワールドカップサッカー、チリvsカメルーンを横目にインストール開始。
いい具合に完了。俺のマシンスペックは申し分ないはずだから当然といえば当然だろう。
いきなりマルチな世界にいくのはなんなんで、とりあえずSinglePlayではじめることにした。
キャラクターは初回なので無難にWarrierを選択、名前はアルゼンチン代表にちなんでBatie。

Quest1.Butcher

なんせ初めたばかりで右も左も分からない。 村をうろつきながら村人と会話していると、
なにやらしきりに「Butcher、Butcher」と言っている。
(このゲームは英語のみである。会話の意味はまともには分からない。)
どうやら酒飲みのじいちゃんは友人をこいつに殺られたらしい。カタキをとって欲しそうだ。
そのまま適当にうろついていると、村のはずれにある教会の前で人が倒れている。
どうもこの中にいる奴に殺られたらしい。
冒険の始まりを予感しつつ入ってみた・・・
うぉ、いきなりのダンジョン。
(上の教会っていったい・・・)
気をひきしめつつ探索をはじめると、コボルトらしきモンスターに遭遇、へぼい木の斧でなんなく倒す。
しかし、マウスのクリックのみでアクションゲームをするのは、慣れるまでが大変そうだ。
しばらくして、オートマップによりB1はすべて探索したことに気づき、調子にのって一気にB2へ。
(ポーションの残りが少ない、やばい)
緊張感を高めながら探索。敵の攻撃パターンも分かってきた。
今のところボスらしき奴にも会ってないし、レベル上げに専念するか…、と思った頃、
B2でまだ開けていない部屋が一つ残っていることに気づいた。
それはいかにもヤバそうな部屋だ。
外から部屋の中の様子が伺えるのがこのゲームの甘いところだが、これが今は逆効果だ。
あからさまに他の部屋と様子が違う。人間様が串刺しにされている…。
どう考えてもあやしい。
ポーションも残り一つしかない。
(絶対やばい、ふつう行かない)
しかし、しばし迷った後、恐いもの見たさが勝り、突入決定。
かたずを飲んで扉をひらくと、いきなり「Fresh、Meat!」と叫びながらおどり出る
人肉主義者Butcher。
こいつは斧をひたすら振り回すだけの豚野郎だ。
とりあえず一定距離を保ったまま、ヒット&アウェイ戦法をとろうとしたが、いかんせんレベルが低過ぎた。
こちらも斧で対抗するが攻撃があたらない。スピードが全然ちがう。
こちらの攻撃が当たる前に豚の攻撃をくらってしまう・・・
俺は肉の塊になった。
Batie's Level 5

Quest2.The Curse of King Leoric

Buccherに手間取ったせいで、次のターゲットである骨ホネロック野郎に会う頃には、かなりレベルも上がっていた。
なにより今の俺には、豚野郎から頂いた素晴らしく強力な斧があった。
その頃の武器といえば、だいたい1-12ぐらいのダメージしか与えない代物ばかりだったのが、
その斧はなんと4-24という、
なんともバブリーで卑劣な武器だった。
あれだけ俺を苦しめた斧が、今は俺の手の内にある。因果なものだ。
しかし無駄にはしないぜ、お前が殺ってきた以上に、
俺様が殺ってやる。
(お前の同僚だけど)
その頃の俺は、慣れもあったせいか自信に満ちていた。
意気揚ようと骨ホネ野郎の住む部屋へ向かった。
周りの雑魚どもに囲まれても、そう殺られることもなかった。
完璧だった。



常識範囲の数までは。
骨は一人ではなかった。
部下が大勢いた。
(骨なのに)
御丁寧に遠距離から弓矢で攻撃してくる骨もいた。
(脳味噌ないのに)
両手持ちの斧は動きが遅い。攻撃力があっても数に負けた。
(いつも殺ってる骨なのに)
ちきしょーーーーーーーー p(T^T)q
Batie's Level 10

Quest3.The Magic Stone

武器屋のおやじに頼まれて、変な石を採りに行くことになった。っていうか、
骨ホネ野郎を倒した勢いで、どんどん地下に潜っていったら、 あっさり見つかって、楽勝って感じ。
一度村に戻って、おやじから御礼に、ちょーレアなリングをもらう。
さすがこの世界、もちつもたれつですな。
もちろん、骨ホネ野郎からはUndead Crwonという、ちょー強力な防具を頂いている。
適度な緊張感の中、サクサク進む俺の前に、新しい扉が見える。
「もう恐いものは何もねぇ」
躊躇せず扉を開いた俺の前を、コウモリが数匹うざったく飛んでいるだけ。



きっと天罰だったと思う。

神様はきっと、油断しちゃいけないって、僕に教えてくれたんだと思う。
Batie's Level 12

Quest4.The Chamber of Bone

B6あたりで、妙に厳重に警備された部屋を発見。
近付くと、今までのより、ふたまわりもでかい敵が突進してくる。
(これがまた急にくるので、ちょっとビビる)
しかし、俺様のバブリーな斧の相手には役不足だ。
1対1ならば、負けはしない。はむかう敵は、すべて一撃粉砕だ。
しばらくして、警備兵らしき敵を一掃すると、 中央の部屋の封印が解かれたらしく、中に入れるようになった。
ちょー強力な鎧をGetした。
このゲームも軌道にのったな。もう死ぬことはない、と直感できるくらい素晴らしいアイテムだ。
こうなると、まわりの景色(暗闇)も目に馴染んできて、恐さも半減してきた。
しかし、どうもこの部屋はQuestには関係なかったようだ。
一気にQuestを攻略して、またレアなアイテムでも頂戴することにしよう。 そう意気込む俺の前に、
しっかりと「The Chamber of Bone」と書かれた階段が示されていた・・・
何も恐れることなく、扉をガンガン開いてゆく。
おっと、どうやらここらしい。敵がわんさかいる。
わんさか、わんさか・・・
わんさか、わんさか、わんさか・・・
わんさか、わんさか、わんさか、わんさか・・・
まぁ、こんな感じだ。
(Chamberの意味をしり、納得した)
Batie's Level 15

Quest5.Anvil of Fury

また、なんか色々頼みごとをされた。
要はアイテムを採ってくればいいらしい。
しかし、B9に入ってから、まわりの雰囲気が一変した。
ダンジョンというよりは、地獄。
モンスターというよりは、悪魔。サタン。
一人で行くのが嫌になってきた。
溶岩噴き出てるし。


炎が吐けるのか、いいなぁ。

Batie's Level 18

Quest6.Warload of Blood

随分と深く潜ったもので、まわりの雰囲気がだんだん、狂気じみてきた。
人間が吊されている。
なんか生理的に嫌な感じだ。
しかし、死体を漁ると金が出てくるのには感心した。
(俺はクズだ。やっぱりクズだ)
今度のターゲットは、完全武装したナイトの親玉だった。
村人には「やばいって、まじで、勝てないって。やめとけ、やめとけ。」みたいな激励を頂いた。
むぅ、確かに雑魚クラスでも、ナイトに袋にされると秒殺だな、コレは。
俺の新たな武器、Stone Cleaver(斧)と、貴様の剣で勝負だ。



出直してきます。

Batie's Level 21

Quest7.Archbishop LAZARUS

とうとう、ここまで来た。
事の発端となった奴(LAZARUS)がターゲットだ。
教会の前で倒れていた村人は、元はといえば、こいつに罠にはめられたのだ。
ゲームも佳境に入ったのか、村の鑑定士のじじいが、「実は、わしは・・・」と何やら語りだした。
村人の応援にも力が入ってきた。
俄然、俺も殺る気十分だ。
長いつき合いだったダンジョンに別れを告げ、いかにもありそうな魔法陣で一方的に奴の城へ飛び込んだ。
奴の厳重な警備の城は、俺の相手として、満足できるものだった。
しかし、このとき俺は致命的なミスを犯してしまっていた。
先ほどまでの戦いで、俺はより強くなるために、
自分のマナ(精神力)を下げる代わりに攻撃力を上げるという武器を手にしていたのだった。
(要は魔法に対する耐性がなかった)
あっさり、殺られました。
Batie's Level 23

Quest8.DIABLO

LAZARUSが最後の敵ではない。それは分かっていた。
DIABLOという題名が何を意味するのかも、予想はついていた。
しかし、予想が当たっても何も嬉しくなかった。
奴の守りは予想以上に堅かった。
LAZARUSもどきの魔法攻撃と、STEEL LOADの剣の威力は、
さっきまでのボス、そのままじゃん。
DIABLO・・・必ず貴様を倒す。
Batie's Level 24

Epilogue.DIABLO、そして・・・(REBIRTH編)

最後の一振りで決まった。
奴の懐に飛び込み、ポーションを贅沢に使い切り、 ひたすら斧を振りまくった。
殺った・・・
奴の断末魔を聞き終え、俺の心は癒された。
そして・・・
RPGの最大の醍醐味である、ハッピーなエンディングが俺を迎えるはずだった。
奴の正体、原因がなんだったのか。
その映像は、俺にとって、嫌な記憶を甦らせるのに十分なものだった。
DIABLOの額から妖しい光を放つ宝石を取り出すと、奴は人間の骸へと姿を変えた。
そして、右手に持つ宝石をただ静かに見つめる主人公。
…が、次の瞬間、
主人公は、ざっくしと己の額に突き刺しやがりました。



うそ〜〜ん。


<THE END>


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